ひきこもりがwebサービスをつくる理由

 私は千葉の大学を卒業して実家に帰り就職を試みるもなかなか就職できず、4月には無職期間が3年目に突入しようとしているひきこもりです。情報系を狙った就職活動をしていますが、未だに就職できておりません。そんなある日、はてなブックマークで「自分でWEBサービスを作りたいと思っている人へ」という記事を見つけました。内容は素人の方が4ヶ月でwebサービスを作ったというものでした。そこで私は「無職を脱出するにはwebサービスをつくるしかない」と思いました。それはwebサービスを作ることによって、総合的な技術を身につけた人材として企業に認められるようなるためです。
 
 ひきこもりや無職は、社会に認められる技術を身に付けるチャンスがほとんどありません。ほとんどの求人では実務経験しか能力の証として認められません。多くの求人は3年程度の実務経験が応募要件で、未経験者歓迎の求人の場合でも不景気ですから、たくさんの経験者が応募して未経験者は採用されません。学歴や資格もあまり意味がありません(そもそも私は情報系ではありませんが)。国家試験である情報技術者試験は、一応技術力があるとして広く業界に認められている資格らしいのですが、去年の秋季試験の午後問題は有名な過去問題集が通用しない、実務経験がないと合格が難しいものだったそうです。つまり実務経験をつめない無職既卒者は就職が難しく、その状態を打開することも難しいということです。ところが上の記事の筆者はweb業界関係者が多数集まるはてなブックマーク3,000近いブックマークを集めるなど高い評価を受けてていました。さらに関連記事には「やろうとすることを普通の人が身につけるのに3年は掛かるだろうに、しかも、ここまでのクオリティはでない。」と、経験者と同等以上に評価される記述もありました。しかもこの実績はネット環境さえあれば誰にでも示すことができます。つまり、無職が技術力で実務経験者に勝っていると認められ、web業界に就職するには、webサービスを作ることが効果的ということです。しかも筆者は仕事の片手間にwebサービスを作ったそうです。時間だけはたくさんある引きこもりがwebサービスを作らない理由はないでしょう。
 では、実際にwebサービスを作ると、どのような技術が身に付くのでしょうか?基本的なwebの技術であるHTMLやCSSJavaScriptPHPMySQLは当然として、実現したいwebサービスの種類やサービスレベルによってまちまちであるとしかいえないでしょう。上の記事の筆者はwebサービスを作りながら様々な技術を勉強されたようです。しかしこの勉強にはあまりお金がかりません。webで情報収集や勉強ができますし、サーバもレンタルすれば月額1000円前後で調達できますから、無職者にやさしいです。また、webサービスを作るとビジネスパーソンとしての基本的な能力が身につくと考えられます。これだけの技術を調査し実装するには大変な労力がかかりますから、調査能力はもちろん、モチベーションやスケジュールの管理能力が必要です。また、webサービスで利益を生み出そうとするならコピーライティングやデザイン、マーケティング能力、キャッシュフローを考えビジネスプランを作る能力など、企業が活動する上で必要なさまざまな能力が必要になります。そして、その成果はアクセス解析や公告収入に明確に現れるので机上の空論にはならずに、実践的な能力を身につけられると考えられます。
 
 このようにwebサービスを作ることは、実務経験を積めないひきこもりが総合的な技術を習得し、社会に認められるための有効な手段です。しかし言うは易し行うは難し。多くのブックマークを集めたことからも実現は難しいのでしょう。私はwebサービス作成のモチベーション維持と、そこで学んだことを忘れないためにこのblogを活用していきたいと思います。